1900年から1940年頃までを飛行船の時代と言っても良いかもしれない。現に関根氏はその著書の表題を「飛行船の時代:ツェッペリンのドイツ」としている。
しかし、ここではもう少し分けて考えてみたいと思う。
第1期はツェッペリン伯爵がマンツェルで「LZ1」を浮揚させた1900年から第一次大戦の始まる1914年までと区切ってみる。「LZ2」「LZ4」を事故で失って無一文になった伯爵のもとにドイツ各地から醵金が寄せられて、その資金でツェッペリン飛行船製造社とDELAGを設立した創業期である。
大戦中はDELAGの飛行船も駆りだされていたが旅客用飛行船としては中断期である。
第2期は敗戦で膨大な戦時賠償に加えて残存飛行船も格納庫すら取りあげられたなかで、残っていた資材で小型ながら旅客用飛行船「LZ120:ボーデンゼー」、「LZ121:ノルトシュテルン」を建造し復興を期したが、それすらも賠償としてイタリア、フランスに取りあげられ、望みを絶たれた処に、アメリカに対する賠償として新造飛行船「LZ126:ZRⅢ(ロサンゼルス)」の建造が認められた時期である。
第3期は飛行船の建造制限規定も撤廃され「LZ127」が計画・設計・建造され、北大西洋横断飛行、世界一周飛行、南米定期航路と世界の耳目を集めた「グラーフ・ツェッペリン」の君臨した時期である。
そして第4期は「LZ129:ヒンデンブルク」が北米航路に就航した時期である。1937年、レークハーストの惨事で突然に終焉を迎えたが、エッケナー博士の夢の乗り物が花開いた時期でもあった。
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