LZ127Profile

巻雲 -休憩ラウンジ-

Bild192


巻雲は高度5000mから13,000mに浮かぶ層状雲で、英語では Cirrus, ドイツ語で Zirrus と呼び、国際的に用いられる略号では Ci と表記される。
絹雲と書かれることもあり、すじ雲、はね雲、しらす雲などと呼ばれる。

中緯度地方では春、秋に多く見られるが、これはその時期に中緯度地方上空にジェット気流に巻雲が伴うことが多いためである。

ヘルマン・ヘッセは1911年7月23日の日曜日に、招待されてフリードリッヒスハーフェンに行き飛行船「シュヴァーベン(LZ10)」で2時間の遊覧飛行を楽しんでいるが、彼は飛行船、飛行機、それに雲が大好きであった。
1994年に Insel Verlag から出版された "Luftreisen" というポケットブックには数編の随筆や詩が収められているが、その最初が "Spazierfahrt in der Luft"(素晴らしい空中散歩)であり、2編目が "Wolken"(雲)という随筆で、その次に "Weiße Wolken"(白い雲)という短い詩がある。

この「航空事業の開拓者」の掲載を始めて半年が過ぎた。

この間にフーゴー・エッケナー博士がツェッペリン伯爵生誕百年記念として執筆した伯爵伝や、アメリカ海軍に納入したZRⅢ(LZ126:「ロサンゼルス」)の渡洋飛行、「グラーフ・ツェッペリン」(LZ127)の世界一周飛行や南米飛行などを回想した著書、エッケナー博士の後任として社長になったレーマン船長の著書など、当事者の記述した書籍の紹介を始めた。

このほか、イタリアンダーやメイヤーなど、著名な硬式飛行船研究家の著書や、私が近代的硬式飛行船の基本設計を確立したと思っているシュッテ教授の大西洋横断旅客飛行船実現への苦闘、それにツェッペリン飛行船製造から12名の弟子達と呼ばれた技術者を連れて米国、グッドイヤー・ツェッペリンに渡り、大型飛行船「アクロン」・「メーコン」を完成させたアルンシュタイン博士の伝記などについての書籍も入手することが出来た。

これまで、これらの文献調査や飛行船の要目、「グラーフ・ツェッペリン」や「ヒンデンブルク」などの運航実績などを調査しているが、これらの調査・研究で感じたことなどを折に触れて書き付けて行こうと思う。

息抜きにご笑覧戴ければ幸いである。

トップページに戻る