A 飛行船の理論と実際、その建造と利用に必要な設備
- Ⅰ.飛行船
- 1.基本理論
- 飛行船の理解
- 揚力
- 空気のない船体
- ガス充填、水素、ヘリウム、都市ガス、熱した空気
- 載荷重量、気圧・気温・湿度の影響
- バラスト
- バラスト投下とガス放出
- 限界高度
- 飛行船には地理的にどんな地域が適しているのか?
- 静的揚力、動的揚力
- トリム傾斜とその保持
- 2.飛行船と飛行機
- 3.飛行船システム
- 自由気球、係留気球および動力付き気球
- バロネット飛行船(軟式飛行船および半硬式飛行船)と硬式飛行船の原理と基本的構造配置
- パーセバル式、M式、ジーメンス・シュッカート式、ツェッペリン式、シュッテ・ランツ式飛行船とその歴史的進展
- 過去の競争の利害得失
- 外国と較べてドイツの飛行船建造の利点
- 新しいシステムか?
- 硬式飛行船か軟式飛行船か?
- 4.飛行船の一般的配置とその装備
- 5.載荷重量
- 概念の定義
- 載荷重量の構成
- その軍用飛行船・商用飛行船の行動半径、上昇限度、貨物による様々な活用の可能性
- 理論上と様々な状況による実際の載荷重量
- その絶対量と相対比率
- 速度と載荷重量
- その船体重量、ガス、気圧、温度との関係
- バラスト水の取得
- 6.浮揚ガス
- 充填ガスの性質と比重
- 水素とヘリウム
- 気球充填とゴム気嚢、金箔打皮(ゴールドビターズスキン)と膜材
- 弛緩した気嚢
- 浸透
- 軍用飛行船と商用飛行船の水素による飛行
- 防護措置
- ヘリウムの長所と短所
- その生産量
- アメリカのヘリウム独占
- ドイツの水素使用に関する先行経験
- 水素の生産
- ガスの貯蔵
- ガス測定器と地下高圧貯蔵庫
- 充填設備
- ガス移送
- 鋼製容器と高圧タンク車
- 化学の将来展望
- 7.軽量構造と剛性
- 載荷重量のための軽量構造の重要性
- 飛行船船体の軽量構造の歴史的進展
- グラーフ・ツェッペリンの工場
- 軽く、剛く!
- 剛性計算の進展
- 理論と実験
- 所要動力の決定
- 一般的船体剛性配置および硬式飛行船と軟式飛行船の接合部
- 部材の計測と建造
- 硬式飛行船の構造材料、アルミニューム、デュラルミン、鋼材、木材
- 生産性を上げるその他の技術
- 将来の大型飛行船に対する剛性の課題
- 外国と比較したドイツの科学技術上の優位性
- 8.速度と空気抵抗
- 速度の源
- 対空速度と航行速度
- 風の影響、風向変動
- 軍用飛行船および商用飛行船での真速度の判定
- 向かい風を克服するには
- 調整可能な船体重量
- 速度と空気抵抗の関係
- 計算と模型実験による決定
- 抵抗のための標準的係数
- 飛行船と付加物の摩擦抵抗と形状抵抗
- 建造方法の改善により抵抗を減少させた事例
- 過去と対比した現在の速度
- 9.原動機
- 歴史的進展
- 失敗に終わった最初の実験
- 飛行船建造と造船
- 軽量ガソリンエンジン
- 飛行船エンジンに対する基本的要件
- 重量、燃料消費
- 信頼性
- 過圧縮高空エンジン
- 飛行船エンジン一覧表
- プロペラ
- 変換器
- 回転数
- エンジン、ゴンドラ、船体とプロペラ位置
- 可変プロペラ
- 首振りプロペラ
- 冷却器と排気管
- 燃料ガソリンとそのタンク
- 船上の原動機設置とガス充填の分散配置
- 不合理な今日の配置
- 改良されるべきヘリウムと重油機関の適用
- エンジンゴンドラとその内部設備
- 10.操縦と飛行船の空中での取り扱い
- 乗組員
- 養成教育
- 航海術、飛行船運用の基本
- ドイツ人の優秀な飛行術
- 乗組員の人数、配置
- 当直交替
- 甲板部、機関部、主計部の人数
- その他の業務
- 指揮者
- 当直士官
- 昇降舵手、方向舵手
- 掌帆手
- 通信士
- 乗務技師
- 操機手
- 燃料手
- 指令ゴンドラ
- 軍用飛行船と商用飛行船の状態と装備
- 個々の技術装置と乗組員の取り扱い
- 様々な航法、航行指示、無線クロス方位法、天文航法
- 海図
- 正しい針路の選択
- 気象通報の判定
- 北極地域、洋上高空での全般的気象観測の強化および気象概況放送の重要性と必要性
- その時点の一般的国民経済の重要性(?)
- 無線室
- 飛行船の飛行におけるFT輸送(?)の意味
- 必要な到達距離
- アンテナ
- 発電
- 11.格納と飛行船の地上での取り扱い
- 飛行船、風と着陸の難しさ
- 発着場への移動と格納庫の出し入れ
- 固定格納庫とその短所
- 横風
- 水上および地上設置の回転格納庫、その長所と使用法
- アンカーマスト(繋留柱)
- 大型飛行船の世界飛行に対するその基本的重要性
- 繋留作業
- 飛行船用海上船舶繋留柱
- 格納庫か繋留柱か?
- ただの格納庫かドックか?
- 両者を兼ねる必要性
- 円形格納庫
- 連絡建屋付き回転式格納庫
- 理想的配置
- 回転式格納庫、移動式閘門格納庫および固定式格納庫
- 繋留要員およびその業務
- その困難な準備作業
- 機械による人力の部分的代用
- 12.飛行船形式の進展
- 軍用飛行船と旅客用飛行船
- その建造と装備の相違
- 軍用飛行船の高々度飛行
- 船体構造の安全率
- 高性能エンジン
- 商用飛行船は軍用補助飛行船になれるか?
- 近代的飛行船の標準形式
- 要求と運航実績による形式の歴史的進展
- 軍事的要求の決定
- 主要なツェッペリン、シュッテ・ランツ、パーセヴァル型飛行船一覧表
- 主要な前進と改善の詳細
- 大きさ、速度、上昇限度、載荷重量、形状、ゴンドラ配置、兵装
- 最近のツェッペリン型、シュッテ・ランツ型の類似点
- 従来のパーセヴァル飛行船と新規計画
- ドイツ飛行船工場の戦時生産量
- 従来の旅客用飛行船
- DELAGの戦前型旅客用飛行船
- 「ボーデンゼー」
- 「LZ126」
- 将来の展望
- Ⅱ.建造所、建造と試運転
- 飛行船製造会社
- 従業員
- 立地条件と地域の特性
- 建造所と空港の連絡
- 近代的飛行船工場の内容
- 国民経済から見た飛行船建造の意義
- 戦時におけるドイツ飛行船工場の人員確保
- その不就業状況の現状
- 飛行船の構造原案
- 納入品検収
- 飛行船工場での共同作業とかつての陸海軍
- 建造時の作業区分、外部で完成した部品との関連
- 原料購入
- 作業場での仕事
- 工場での組み立て
- 確認作業
- 試験飛行
- 安全性、性能、速度、載荷重量の個別確認の実施とその目的
- 科学的観察
- 外国の飛行船惨事とその原因
- Ⅲ.飛行船空港
- 空港の機能
- 軍事および商用飛行船運航に必要な立地条件
- 陸海軍基地の時間経過に伴う基本機能変遷の事例
- 操縦士のリスク
- 海霧と海嵐
- 運用地域の目的地までの距離
- 大都市に近い商用空港
- 地価
- 草の生長
- 地上要員の存在
- ガス調達の可能性
- 格納庫と整備場付きの本格的空港以外の、仮設の繋留柱による発着場と乗客や郵便物の分離
- 気象的に有利な立地の重要性
- 海港との比較
- 大都市の屋上に設置された空港
- 欧米、欧阿航路用のヨーロッパ中央空港の立地
- 主要空港の拡充
- 規模
- 格納庫設置
- 正しい固定格納庫の向き
- 単一格納庫か、複式格納庫か?
- 一箇所に幾つ格納庫が要るか?
- 集中か分散か
- 繋留柱の位置と所要面積
- 隣接設備
- 業務用および居住用建築
- 無線塔
- 測候所
- 標識灯および着陸灯
- 航行誘導用繋留気球
- 緊急着陸用の空港間領域
- ノルトホルツの海軍飛行船基地
- その他の海軍基地
- 近代的飛行船格納庫の計画
- 条約によるドイツ飛行船発着場の完全な破壊
- B 飛行船の利用
- Ⅰ.軍用飛行船
- 軍用飛行船の歴史的進展
- 繋留気球の代用と遠距離飛行船
- ツェッペリン伯爵
- ドイツ陸軍の飛行船
- その任務と開戦時に期待されながら達成不能だったこと
- 新しい船型の創設
- 防衛軍の闘争
- 対空防御
- 操縦士
- 燐焼夷弾
- 陸軍飛行船の断念
- 将来も基本的に不可能なこと
- ドイツ海軍の飛行船作戦
- 着目点と意図
- 開始
- 戦時改装
- 世界大戦で海軍飛行船に課せられた任務
- 洋上の遠距離偵察
- 艦隊との共同作戦
- スカーゲラック海戦への飛行船の出動
- 英国空襲
- その直接、間接の成果
- 乗組員の航行実績
- 損失
- 掃海任務
- 海軍飛行船の将来展望
- ドイツにとって無価値
- 大海洋国家、大艦隊に不可欠
- その基盤
- 海軍飛行船L59の東アフリカ飛行
- その成功の歴史
- 飛行の目的
- 偵察飛行船の建造と艤装
- ヤンボリからの出発
- エジプト奥地からの召還と帰還
- 飛行船と乗組員の飛行の成果と、将来の飛行船による世界飛行に進展する基本的意義
- Ⅱ.商用飛行船
- 商用飛行船の運航に関するドイツの方針
- ツェッペリン伯爵
- 「DELAG」とその戦前の飛行船
- 「ボーデンゼー」の運航時刻表通りの旅客飛行
- 協約による差し押さえ
- ドイツの旅客飛行船の従来の飛行実績
- 賠償飛行船「LZ126」建造秘話
- 破壊された海軍飛行船の代船納入
- その納入のドイツとドイツ飛行船建造における不利益と効果
- 製造企業とドイツ行政間の連携不足
- アメリカの米独飛行船建造会社「グッドイヤー・ツェッペリン社」
- 世界飛行船輸送の展望
- 長距離高速輸送の必要性
- 時間節約の事例
- 旅客、貨物、郵便の輸送
- 旅客運賃と採算性
- 船舶、鉄道、自動車との比較
- 国家の助成
- 初期の輸送拡大の選択における強国政策、国家エゴ的観点
- イギリスとアメリカの飛行船計画
- 世界飛行船輸送への参加に関するドイツの展望
- 将来の路線網
- 北極飛行
- 遊覧飛行
- 地理学上の探査
- 地図作製のための測量
- ドイツは安全な飛行船空輸を完遂出来る
- 軍事および商用飛行船の運航とその課題(ガソリン、水素、落雷、着陸の危険性)
- 将来の大型飛行船の概容
- 乗客設備の詳述
-
- C ドイツの飛行船政策、ドイツ商用飛行船の定義、将来
- ベルサイユ講和条約によるドイツ軍用飛行船の禁止
- ドイツの飛行船・飛行機工場の継続
- 民間航空事業の継続
- ロンドン通牒で強制された講和条約の破棄によって統合されたドイツ航空の定義
- 任意定義の「商用航空機」の概念
- ドイツの民間飛行船および飛行機の機能の極限
- 経済的な強制の継続
- 地理的なドイツの位置を活用し国際協調で将来の希望を目指す航空政策
- 概念規定の完全破棄の必要性
- 航空の自由への願望!
見出しの挿絵は同書からシュッテ・ランツの渡洋旅客飛行船「アトランティーク」の予想図(1920年)である。この本の出版時は賠償飛行船「ロサンゼルス」を引き渡した直後で「グラーフ・ツェッペリン」はまだ名前も挙がっていない時期であった。
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