1928年の完成時点で、LZ127は世界最大の硬式飛行船であった。
それはガス容量105000立方メートル、全長236.5メートル、最大直径30.5メートルであった。この巨大な主寸法をイメージするために既存の事物と比較してみよう。
飛行船の長さは、ほぼ大洋を航行する汽船に匹敵し、最大直径はブランデンブルク門 -4頭立ての馬車を含めた- の全高を少し上回り、ガス容量はガス灯を灯し続けるとすれば235年間も絶え間なく灯すことが出来る。
それにもかかわらず、流線型に整形された船体の空気抵抗は直径5メートルの円板の4倍にしかならない。
その飛行船の船体はキログラム単位で重量を管理されて本体重量が必要最小限度に押さえられ、大きな積載重量をもたらしている。これは、軽金属デュラルミンを使用した軽量構造方式により達成されたものである。
すべてのツェッペリン飛行船と同様に、LZ127は多くの骨格が並べられ、直径の異なるリングを縦通材で結合されて流線型の中空体を構成している。リングと縦通材はそれ自体、三角形に構成された金属の桁で出来ていた。主リングは等間隔に配置され、菱形にトラス桁で補強されていた。さらに鋼線で出来た鋼索を張り強度を持たせていた。
15メートル間隔の2本のメインリングの間には、縦通材の安定と保持のためにそれぞれ2本の補助リングがあった。
リングは実際に丸かったわけではなく28角形であった。
船体の部品は鋲結されており、そのために5百万本のリベットが必要であった。
船体内部には2本の細い通路があり、それを通って縦方向に船体全域を通行することが出来、個別の連絡通路が船体各部に行くために用いられていた。
竜骨(キール)部分などに行くために、船体中央部のメインリングに何本かのワイヤが固定されていた。
2つの縦通路は互いに上下方向のダクトでつながっており、そこから船体背部にも通じていた。そこから船体上面に出ることも出来た。
さらに通路の下には、エンジンゴンドラに行くための船側通路もあった。
船尾には4枚の安定板が十字型に固定されており、それぞれに飛行船を操舵する舵が付いていた。
飛行船の骨格は綿布で出来た外被で包まれていた。
それは天候の影響と太陽光線から保護するために何重にも保護塗装がなされていた。
飛行船が銀色なのはアルミニューム粉末が混入されていたためである。
空気抵抗を減少させるために、出来るだけ表面をなめらかにしてそれぞれの外被にはきめの細かいサンドペーパーで磨き上げられていた。
飛行船の船体内部には17のガス嚢に浮揚ガスである水素が充填され、同じように船体下部には特殊な燃料ガスを充填した12のガス嚢が設置されていた。
ガス嚢は、外被と同じく軽い綿布で作られており、出来るだけガスを漏洩しないように牛の腸壁からとられた金箔打皮が貼られていた。
超過圧力で破裂しないように、それぞれの浮揚ガス嚢には弁が設置されており、制限圧力を超過した場合には自動的に解放されるようになっていた。
また、飛行船体内部には通路下の左右に、貨物室、ガソリン/清水/汚水のタンク、それに乗組員の居室と寝室があった。
飛行船の原動力には、5基のVL2型マイバッハエンジンが搭載され、その合計出力は2650馬力で、これにより飛行船は平均で毎時117キロメートル、最大出力で毎時130キロメートルの対空速度を出すことが出来た。
エンジンは飛行船外部に5個懸架された個別のエンジンゴンドラに装備され、ガソリンでもブラウガスでも燃焼させることが出来た。
(工事中)