「グラーフ・ツェッペリン」で世界周航
第二、第三区間
高圧電線
我々がロサンゼルスに来たとき、うまく高度を上げることが出来なかった。長い間、陽が射していたので飛行船が重くなっていたのだ。最初、草原を行く自由気球のように浮揚していた。その後、エッケナーは上昇を指令した。
ぐっと高度を上げた。後部ゴンドラと電柱の間は3、4メートルしかなかった。気持ちの良いものではなかった。
だが、「もしも」という言葉をないがしろにしてはならない。我々は危険な状況を何とか乗り切った。
将来、あらゆる重要な場所にツェッペリン格納庫や繋留柱が設けられるとしたら、その近くに高圧電線を敷設しないようにしなければならない。
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