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「グラーフ・ツェッペリン」で世界周航

GRAF

第一区間

中断された夢

そうこうしている間に、2時になった。私はまだ小一時間横になっていようと思った。そのあいだに夢を見た。
私のかつてのクラス担任が私の寝台の横に立っていた。ちょっと笑って、言った。ツェッペリンというのは空想の産物で、それで世界周航をするということは、とりわけクラスで最も出来の悪かった私には前代未聞の尊大な思い上がりだと。

私は立ち上がり、上空を指した。そこには、奇妙なツェッペリンが星座から星座へ、ちょうど微かに燃え立つ銀色の雲のように移動していた。私は、自分はずっと前から成人し、少なくとも35歳だと思っていると言った。しかし彼は頭を振り、すべてはいま初めて意識上に現れた、抑圧された若い頃の夢であり、それは彼にとって、私を何年か居残りさせる良いきっかけになると説明した。
そのとき私は、彼は正しいのかも知れないと思った。というのも、そのイニシアチブの強さと頬髭によって、私は彼のことをはっきりと再認識したからである。

しかし、その瞬間、逞しい夜警がやってきて、拷問者のように言った。「起きて下さい!半時間後に出発する車が下で待っています!」

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