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カール・アルンシュタインの人生は、ヨーロッパを崩壊させた世界大戦によって決定された。その大激変によって彼のライフワークは大幅に変更された。
ドイツのツェッペリンからオハイオ州アクロンのグッドイヤーに、アルンシュタインは他のどの技術者よりも飛行船の設計と開発に寄与した。
彼は、哲学者か数学者になっていたかもしれないが、具体的な物への興味からアルンシュタインは土木技師になった。
その知識により、恐怖の塹壕戦に行くことを免れ、飛行船の開拓者ツェッペリン伯爵に認められて、はからずも前線からドイツ、フリードリッヒスハーフェンの航空機工場に呼び寄せられた。そこでアルンシュタインは、地上に固定された実用的構造物の応力解析をツェッペリンの船体構造の調査に応用することになった。
アルンシュタインが名を残しているのは、ただツェッペリンの設計に関する貢献だけではない。
彼の話は、多くの点で20世紀はじめの飛行船建造の話でもある。
そして彼の遺産は、アクロンの大切な飛行船の伝統を担うタイヤーメーカーの企業の象徴としてのグッドイヤー軟式飛行船に受け継がれているのである。
「著者は、カール・アルンシュタインと交わした長い会話の中から集めた情報を、硬式飛行船史に関する深い知識で構成した。その結果、LTA研究者の鍵となる技術経歴だけでなく、20世紀の技術、事業、行政に関する幅広い歴史を研究する者にとって興味のある話になった。」
スミソニアン財団:国立航空宇宙博物館 トーマス・クローチ博士
デール・トッピング(1917-1993)はイリノイ大学からメカニックスの理論および応用に関して Ph. D. を授与されている。彼はグッドイヤー航空宇宙社とベル航空宇宙社テキストロンに勤務していた。
エリック・ブラザーズはアクロン出身のフリー・ジャーナリストである。LTA協会の機関誌「ブイヤント航空」の編集者としてデール・トッピングの著述を引き継いだ。
アクロン大学出版部
オハイオ州アクロン