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「グラーフ・ツェッペリン」で世界周航

Waldbrand_1

第一区間

燃える森林

我々はウラルに近づいた。森林は次第に深まっていった。輪郭だけを見極めることのできる小さな街のすぐそばに、最初の巨大な森林火災が見えてきた。
それは密林を、文字通り浸食していった。しかし、それは外郭線だけではなかった。火事を知らせる火の騎士は全方向に展開し、左右両翼に燃え広がっていた。
灰赤色の煙雲は木々の上を球状に覆い、煙幕で展望は絶たれていた。
焼き払われた森林が何キロ四方に及ぶのかは計り知れない。誰もそれを気にかける人間はいなかった。今日もまだ燃え続けるだろう。

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